研究領域

 当研究室は、不動産に関わる環境を研究対象とし、既存の学問領域のみにこだわらず、多面的なデータ分析(実証研究)を通じて法政策の制度設計を検討しています。その研究結果を提供することによって、よりよい住生活を目指しています。

 日本は長年、不動産の概念を「土地・建物」と位置づけ、土地の物理的領域はその地表面と表層のみを示しています。
 しかしながら、自然科学の観点からみれば、土地は自然物で地表面と表層のみならず、地下水層、地質といった深部までを見なければなりません。また、その領域には埋蔵物、土壌汚染、自然由来重金属類の存在、埋設物などがあり、時間の経過と自然あるいは人工的変化によってその土地の変化(地歴)が存在します。さらには火山帯、断層、プレートといった地球規模の自然地質構造を熟知したうえで、その土地の評価を行うべきです。諸外国では、このような概念が不動産の分野において定着しています。よって、不動産業者はこの分野について、ある一定の知識を持っていなければなりません。(日本ではこのような教育は行われておりません。)
 日本は火山や鉱床帯も多く存在し、プレート境界に位置することから地震も多く、四季があり、気候も地域差が激しいという自然豊かな立地条件であり、このような自然条件を踏まえたうえで不動産の概念が構築される必要があります。ミクロ的には住宅1戸から始まり、マクロ的には、都市、まちといった広範なエリアの概念に至ります。
 さらには、人間生活の根幹である「衣・食・住」の「住」の観点から、生活質の向上と自然との共存を図っていかなければなりません。
 一方で、過去100年の急激な人間生活環境の変化により、自然環境を破壊する現象が顕著であり、見直しを迫られています。日本では、ここ近年で住生活における環境負荷が増大しています。特に住宅などのエネルギー消費量の増加、温室効果ガスの増加は喫緊の課題です。
 これらの改善を実現するためには、技術改良や積極的な政策による誘導が必要です。

 このような概念と取り組みを「不動産環境政策」と定義し、日本にもこのような概念が定着するように、研究を進めています。
 
 以上のような課題は、「文系・理系」「自然科学・社会科学」などといった旧来からの学問体系によるアプローチでは到底解決できる問題ではありません。それぞれの知見を複合的に活用した新たな概念が必要なのです。
 この概念は「不動産学」で必要としている概念であり、人々の生活において結果的に安全と安心をもたらし、豊かな居住生活と国家の基盤を形成します。

《不動産環境政策》

 不動産環境政策のキーワード

  1. 自然環境保全と開発の共存
     開発行為における環境負荷の低減方法

  2. 交通と住空間の適正配置による生活質の追求
     住宅供給時代の終焉による生活質向上の実現方法

  3. 情報化の活用による環境配慮と利便性の向上
     情報地域格差の解消による地方の新しい都市像

不動産環境政策の概念図 (本間勝)

大気・温暖化対策


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